住職挨拶(運営の理念)

平成30(2018)年念願でありました新本堂が竣工致しました。
令和元(2019)年10月20日には、開基684年・寺号公称557年

寺基移転319年記念を掲げつつ新本堂落慶奉告法要を厳修致しました。

浄土真宗の宗祖親鸞聖人が、

「聞思して遅慮することなかれ」

とのお言葉を遺されています。

 

「聞思」とは、人生のよりどころを明らかにする確かな言葉を聞くことを通して自ら問いを持ち、自らが考えることの大切さを示すものです。

 

どれほど大切な言葉を聞いたとしても、ただ聞くだけに終わってしまうならば、それは私が生きることにとって、それほど意味を持たないものとなってしまいます。聞いたことを自分に引き当ててよく吟味し、自らの問題として考えることによって、はじめて一つの言葉が私にとってかけがえのない言葉となり、生きる原動力となっていきます。

 

私たちの周りには多くの情報や言葉があふれています。しかしそれに振り回されて、本当に確かなものが何かわからなくなってしまうこともしばしばです。

 

そんな中で誰もがとまどい、生きる方向を見失い身動きが取れなくなっていってしまう、そのことを親鸞聖人は「遅慮」という言葉で表現されています。

 

皆様と共に、自らが生きるよりどころを明らかにする確かな言葉を「聞思」して参りたいと思います。